第7回下田国際音楽コンクール審査にあたり(審査委員長による総評)

昨年、いまだに世界を脅かす新型コロナウィルス感染拡大の影響により
多くのコンクールや音楽イベントが中止へ決定するなか、
下田国際コンクールはいち早く録画審査による開催を表明することで一躍脚光を浴び、
世界各国より多くの応募がありました。

その後、多くのコンクールがインターネットを活用した審査による開催を決定し、
今となってはそういったコンクールも珍しいものではなくなりましたが、
第7回下田国際音楽コンクールは前回と較べ、出場者や楽器の種類も増え、
また出場者による録画音源の制作が洗練されてきたこともあり、審査もこれまで以上に熱が入りました。

採点を集計してみると、僅差で入賞の明暗が分かれたケースが多く見受けられ、
ひとつの部門で楽器を問わず審査する難しさを審査員一同感じました。

しかしながら、全楽器を通して入賞された方の演奏は審査員の心を打つ共通点も多く、
音楽があらゆる垣根を越えた「共通言語」とされる所以を、審査期間中強く意識しました。

来年2月に第8回下田国際音楽コンクールが開催されますが、
惜しくも入賞を逃された方はまたチャレンジしていただければと思います。

審査会は録画によるオンライン審査でしたが、
7月の入賞者演奏会で皆さまが奏でる音楽を直に聴くことができることを
心待ちにしております。

審査委員長 碓井俊樹